部長の妄想企画 長編小説『笛部紅天女』 連載開始

【プロローグ】


リコーダー曲『笛部紅天女』。


争いの絶えない都を鎮めるための仏像づくりを依頼された仏師と
梅の木の精・阿古夜(あこや)の物語を細微に渡り
リコーダーの音色で表現するという伝説の名曲である。

しかしその曲をうっかり聴いたものは
 
『おおお俺の阿古夜ちゃんがそんなことまで!』
『あああ梅の木がウドンコ病に!!』

とリアルな幻覚に一人残らず錯乱する為
あっという間に封印された衝撃の問題作でもある。


月日は流れ、長く歴史に抹殺されていた『笛部紅天女』。

…ああ悔しや…悲しや…かくなる上は…

今、天女は意志を持ち
我が身を再び現世に降臨させるべく動き出した…









…みたい。